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誌上礼拝
2014年 4月 「苦しみに打ち勝つ」 
聖書の言葉

創世記50:20
50:20 あなたがたは、私に悪を計りましたが、神はそれを、良いことのための計らいとなさいました。それはきょうのようにして、多くの人々を生かしておくためでした。

苦しみに打ち勝つ

 「苦しみ」それは私たちの生活を絶えず襲います。ヨセフから恐れに対する対処のあり方を見ることにしましょう。
1、ヨセフの兄弟たちの恐れ (創世記50:15 ヨセフの兄弟たちが、彼らの父が死んだのを見たとき、彼らは、「ヨセフはわれわれを恨んで、われわれが彼に犯したすべての悪の仕返しをするかもしれない」と言った。)ヨセフの兄弟たちの恐れは、ヨセフの少年時代にさかのぼります。ヨセフの見た夢を聞き兄弟たちは妬みました。兄弟たちはヨセフの夢の実現をはばみ自分たちの兄弟ヨセフを奴隷としてエジプトへ売り飛ばしてしまいました。そんな過去がありますので「仕返し」を恐れたのです。当時は、目には目を、歯には歯、(出エジプト21:24 これが最初の記述)をと言うような考え方がありましたから恐れるのも無理の無いことでした。人は、悪いことをした身に覚えがあるならば、恐れるものです。恐れは現在は一つだけではなく多様化しています。悪いことをしたならば必ず恐れがともなうものです。これは人である私たちが経験することです。ヨセフの兄弟たちは過去の事実のために仕返しを恐れたのです。その恐怖はヨセフの前にひれ伏すことにあらわれています。(創世記 50:18 彼の兄弟たちも来て、彼の前にひれ伏して言った。「私たちはあなたの奴隷です。」)
2、ヨセフの赦し (創世記 50:19 ヨセフは彼らに言った。「恐れることはありません。どうして、私が神の代わりでしょうか。50:20 あなたがたは、私に悪を計りましたが、神はそれを、良いことのための計らいとなさいました。それはきょうのようにして、多くの人々を生かしておくためでした。 50:21 ですから、もう恐れることはありません。私は、あなたがたや、あなたがたの子どもたちを養いましょう。」こうして彼は彼らを慰め、優しく語りかけた。)ヨセフは「恐れることはありません」創世記50:19 といって赦しを表明しています。21節でも同じ言葉が語られています。ヨセフは兄弟たちからひどい目に合わされました。なぜ赦すことができたのでしょう。
理由は、
 ☆「私が神の代わりでしょうか」創世記50:19 と言うことばの中にあります。ヨセフはさばきをするのは、神であることを信じ認めていました。つまり分を越えない心があったからです。
 ☆「こうして彼は彼らを慰め、優しく語りかけた」創世記50:21 ということばの中にヨセフが復讐をする人ではなかったことを知ることができます。このようなヨセフでしたから「恐れることはありません」と言い得たのです。
★神に代わる分を越えない心が時代を越えて仕返しをしない自重が働く理由です。パウロもガラテヤ5:22.23 で「自制」は聖霊の実であるとしています。さばきの心が起る時、分を越えてしまっていないかを自覚しなくてはなりません。ヨセフは分を越えない自制ができる人であったのです。
★過激にことをしないことが赦しにつながっているようです。復讐をしない生き方につながっているのです。このような対応ができたのは、
3、神の恵み意識 (創世記50:20 あなたがたは、私に悪を計りましたが、神はそれを、良いことのための計らいとなさいました。それはきょうのようにして、多くの人々を生かしておくためでした。)「神はそれを、良いことのための計らいとなさいました。」と言って、神の恵み意識を確実にしているのです。だから過激な行動をする必要がなかったのです。伝統的な「目には目を、歯には歯、」が止められたと言う方が当たっているかも知れません。兄弟から、ひどいことをされて復讐しないで赦しができるのは、ヨセフが神の恵みを今までの生活の中で訓練され教えられて来たからです。決して自動的に赦しができたのではありません。ヨセフの今までの生活を学ぶ時、「主がヨセフとともにおられたので」(創世記39:2)つまり神共にいます。この事実がヨセフの生涯を貫いています。裏返せば、ヨセフはいつも神共にいますことを求めた人であったことを覚えなくてはならないでしょう。神共にいます。この事実に直面するたびにヨセフは神の恵みを意識したのです。これが大切なことで、いやなこと、痛むこと、苦しいこと、などは生活の中にはいくらでもあります。その中で真に支えとなってくださるお方、神共にいます。この事実が苦しみに打ち勝つ生き方になるのです。

      日本同盟基督教団 正教師(外務支援教師)
                                 富 澤 誠 治

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