2017年 短 歌
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2017.12.8.
   麦の芽が不揃ひに発芽して如何にせんと腕組みをする
   塀越しにビワの花見へ隠れ収穫までにいくつ残るか
                       堤 清康(愛知)


2017.11.20.
   松葉牡丹花も千切れて風強く色とりどりに残り咲く花
   竹の葉が時ならぬ風に騒がしく右に左に激しく揺れて
                       堤 清康(愛知)


2017.11.1.
   懐かしや母の唄いしわらべ歌朧げながら口ずさむ秋
                       渡邉ゑみ子(愛知)


2017.10.14.
   風呂上り吹き返す風肌寒く秋も中ばの気候変化に惑ひてをり
   秋風に萩も倒れて道端に日も早く暮れ足早に見る
                       堤 清康(愛知)


2017.9.30.
   マーラ逝く短し命立てぬまま花の冠想い出残して
   野に出でて鳥の囀り虫の音も聴きまほしくも過ぎ行く秋の日
     豊橋動植物園でアジア象の赤ちゃんマーラ誕生に湧いた日から僅か6歳の短い命でした。母親象に育児放棄され人工保育の難しさ大、リハビリの大変さを知りました。
                       渡邉ゑみ子(愛知)


2017.9.22.
   アスフアト焼け付くような熱き午後紅きかき氷汗も引きをり
   秋虫の夜を通して聞へくる気候変動まだまだ暑く
                       堤 清康(愛知)


2017.8.31.
   雨降れば雨漏り無いか風吹けば傷みは無いか留守宅憂う
   夢の中楽しく語り合えるのに醒めて聴こえぬ現実(いま)を知らさる
   この夏も乗り越えられよと励ますも召されて逝きし義妹よさらば
                       渡邉ゑみ子(愛知)


2017.8.13.
   透明な傘に見上ぐる昼の月雨雲流れ光眩しき
   鳩の群蒔かれし餌に我れ先にかさなりあって啄みてをり
                       堤 清康(愛知)


2017.8.1.
   ひゅるひゅると打ち上げ花火見る度に脳裏に浮かぶは落ち来る火の玉
   幼き日意味も解らず歌いしはニッポンカテカテアメリカマケヨ
「なんとも物騒な世の中になって来ましたね。」と痛々しい思い出を表現しました。
                       渡邉ゑみ子(愛知)


2017.7.30.
   夏戸立て涼風通る部屋の中澱む空気を押し流しゆく
   宮の鳩色もとりどり首振りて小蔭を選び屋根から降る
                       堤 清康(愛知)


2017.7.9.
   葡萄棚四房提げて重たげに収穫いつかと眺めていたり
   剪定に目印の立木枝落し裸木となり見る影もなし
                       堤 清康(愛知)


2017.6.16.
   諦めず頑張ったよね「じゃがいも」よ被災犬から救助犬にと
 2013年7月の投句で「じゃがいも」を詠み、2015年1月に2度目、2016年3月に3度目を。そして4度目の投句になります。先月やっと11回目で合格したとの事。私は秘かに、今頃どうしてるかな?と気になっておりました。貰い手の無かった被災犬の子犬が実に5年掛けて成し遂げたのも、指導員の努力のたまものと拍手喝采です。
                       渡邉ゑみ子(愛知)


2017.6.1.
   ほの匂うピンクのカラー母の日に独り占めせずロビーに飾る
   住む人の無き屋敷にも花は咲く置き去りし庭愛しく偲ぶ
   遠来の友久々に再会す無事を喜びともに祈りぬ
   私には間に合ってますガラケーでスマホに替えよと迷惑メール
                       渡邉ゑみ子(愛知)


2017.5.2.
   春風に緑黄緑深緑若葉は踊るイナバウワー
   ビル工事歩道の占有甚だし警備の若者最敬礼す
   今頃は宴たけなわか同窓会欠席なれど祝福祈る
                       渡邉ゑみ子(愛知)


2017.5.1.
   藤棚をはみ出す蔓が一段と長く咲きおり強風に揺るる
   暮れ切らぬ空に夕焼け棚曇り飛行機雲の真横に一筋
                       堤 清康(愛知)


2017.4.1.
   ハミングし調子を合せ自転車に子供遅れじとペタルを踏める
   雲走り冬に戻れしか肌寒く下着一枚身に付けてをり
                       堤 清康(愛知)
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   雪崩とは春の季語なり若者よあ〜憐れなり命落としぬ
   やわやわと優しく手を揉むボランティアまた来ますねと笑顔残して
                       渡邉ゑみ子(愛知)


2017.3.3.
   外出もままならぬ身に友よりの絵手紙にて知る四季の移ろい
                       渡邉ゑみ子(愛知)


20173.1.
   寒々と鉄のベンチが置かれてる定刻にこぬバス待つ人々
   肌を刺すみぞれ混じりに吹き付けるバス待つ列に容赦なく降る
                       堤 清康(愛知)


2017.2.4.
   ピーポーに乗せられて行く我が身にも主の哀れみは注がれており
   退院を喜び迎える友が居る入居者仲間の絆は深し
                       渡邉ゑみ子(愛知)


2017.1.5.
   新玉を子と共に祝う時を得て世に争いの無きこと祈る
   青空に薄墨の雲白い雲風に吹かれて漂い流る
   なにげなくあざみの歌を口ずさむ共に唄ったあの人想う
   都会っ子祖母と母との語らいに豊橋弁が上手ねという
                       渡邉ゑみ子(愛知)