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| 佐藤喜美子詩集 神さまの世界 落ち込んで落ち込んで 食事も睡眠もあまりとれていない 息子も娘も夫もだれもわかってくれない わたしの気持ちいまどん底なの 長いため息が流れて暗い顔の友 いいじゃないのどん底ならいつかは浮かぶよ その時はうんとうんとジャンプしてみようよ もっともっと広い自由な世界が開かれるから どん底を味わってみるのもいいかもね 人生に苦難や試練はつきもの それを乗り越えるたびに強くなれるよ たくさんの知恵が与えられるよ 何よりも人生でいちばん大切な世界 神さまの世界があることに気づくから 私はみの虫 私はみの虫 小枝にブランコ小さなこむし 丈夫な皮の袋の中で 暖かい春を待っているの 外の様子知りたくて ちょっぴり頭出してみたけれど ヒュウヒュウ北風冷たくて あわてて首をひっこめた 私はみの虫 小枝にブランコ小さなこむし 丈夫な皮の袋の中で 希望の春を待っているの 遠く近く 木枯らしの調べを聞きながら 明るく輝く陽射しを信じつつ じっと我慢をしています 私はみの虫 小枝にブランコ小さなこむし 丈夫な皮の袋の中で 勇気の春を待っているの 美しい春が訪れて たくさん花が咲いたなら 高い青空自由の国へ 堂々胸張り飛んでいこう ![]() 笑顔と笑顔と笑顔 新春を迎えて暖かい陽射しが大地に降り注ぎ 君との外出が4年ぶりぐらいに自由に許された 君は会った途端大泣きした 暫くして笑顔に変わり ケラケラケラケラ笑いっぱなしになった それは別れる時間まで続いた お弁当を食べてから父さんと母さんと君と 広大な緑地公園をぶらぶら歩いたね 君はひとりくるくるワルツ?を踊りながら ときどき小さな鼻歌まじりでいっぱいの笑顔 君のそんな光景初めてみたよ 父さんも母さんもびっくりするやら嬉しいやら 真っ青な青空とサザンカの街路樹の赤 広々した芝生空間に三人だけです 近くには誰ひとりもいない 笑顔と笑顔と笑顔が交差してはじける 神さまが下さったスペシャルな時間 握手 さようなら 私の差し出した手を力強く握るあなた 沈黙の後であった視線 少女時代のあどけなさを残す あなたの瞳に これから看護師として巣立つ 決意がみなぎって 頼もしく強いイマージが私を喜ばせる 発車を知らせるメロディーが流れ 騒々しい渦巻きのなかで 静かなひと時を守りあうあなたと私 またいつ会えるという確証のない別れに 淋しく微笑む私 激しく仕切られたドア向こうで深く頷くあなた スピードを増していく列車の快い響きとともにやってくる 暗く遠い地底に沈みゆく寂寞感 私の手に在るあなたの手の温もりを愛しむ私 きみはオッサンになったけれど 気づけばきみはオッサンになっていた ひげずら白髪頭頬はこけ皺も深い でも いたずらっぽい瞳で笑いながら きみのやることなすこと幼子のまま おしゃべりできないぶん百面相 泣いたり笑ったり怒ったりすねたり 52歳になったんだねえ 難病になって二度も大手術をしたり 試練もあったけどがんばって生きてきたねえ 汚れのない澄んだ瞳と人懐っこい仕草は かあさんの励ましで宝もの きみの人生行路はまだまだ続きそうだ そのままでいいから力強く生きていこうね 神さまが今まで守ってくださったことに 感謝しながら生きていこうね きみはオッサンになったけれど メダカ 変わった種類のメダカを13匹いただいた 青や白や赤や黒や茶色やまだら模様の変わったメダカ こんなに種類があるなんてびっくりした 気前よく分けて下さった方に感謝して 庭に置いてある鉢のなかに 夫が以前から飼っている10匹のメダカと一緒にした それから朝晩メダカの様子が気になって仕方がない ケンカをしていないか ストレスを感じてはいないか エサをやらなければいけない時間 3ミリにもみたない赤ちゃんメダカも3匹いた がんばれがんばれ早く大きくなーれ 声かけは毎日となった 夫のメダカのはずが私のメダカにもなってしまった 水換えや水草や鉢の水位の高さ調節 結構気遣いながらおもう こんなに小さい被造物も神さまがお創りになったことを 夕があり朝があった 暑さで身体がとろけてしまいそうな日々 地上のあちらこちらで大雨がふり 家が流されたり人が亡くなったり 爆発が発生したり、怖い事件が起きたり 国と国とが無意味な戦争をしたり 人類のもたらす罪の結果の現われに わなわなとおののいている 神の思し召し(おぼしめし)はどのようなものか 老いが増す私に何ができるのだろうか 心はいつもその思いに向かう 庭の草木に水を放ちながら見上げる空 真っ赤な真っ赤な見事な夕焼け あ〜あ今日も守られていちにちが終わる 安心感と平穏な気持ちで満たされる 夕があり朝があった みことばが心にひびく 明日への希望を抱いて床につこう 夫と妻の会話 梅雨入りのしとしと雨に打たれて アジサイ花が七色の輝きをみせている 我が意を得たりと言わんばかりに 隣家の庭を眺めてうっとりしていると おおーいだいじょうぶかあ すこし離れた場所から夫のかけ声 だいじょうぶかあーて何のこと? 振り返りざまに応えながら そのことばそっくりお返しします あなたこそだいじょうぶなの? オレはだいじょうぶだよ 車の運転は慎重に慎重にね 買い物はちゃんと買うものを確かめてから 互いに言い合い頷きあう いちにちに何回も繰り返される会話 金婚式も終えてやっと 私たちホンモノの夫婦に近づいたかもね わが家の花物語 我が家の小さな庭でもたくさんの花物語がある 新居の雑然とした庭では寂しいからと 夫の両親が大きなツツジの花の株を買ってくれた 53年を過ぎても華やかなピンクの花を 今年も満開に咲かせてくれた 教会の爺ちゃんが釧路の家で分けてくれたスズラン 楚々として今盛んに次々咲いている 母が笑顔でくれた紫露草の株ツボミをつけ ちらほら花が咲いてきて嬉しい 寝たきりになってしまった親友が植えてくれたカキツバタ いつも会う友がくれたクリスマスローズとシランの花 隣家の方があげるねとホトトギスの花の苗 父が挿し木をして増やし植えたキンマサキの生垣 知らない人からもらったホウセンカの赤い花 沢山元気に芽吹いてきている 神さまが地上に花を創造されたことに感謝しながら 出会った人々のあたたかな愛に胸を熱くする 生まれてくれてありがとう (結ちゃんに捧げる) 2078グラムの かわいい女の子が誕生しました 元気なうぶごえを聴いて ママは涙が溢れ パパも眼がしらを押えました パパとママが何年も 神さまに祈って与えられた あなたが与えられるまでの 苦しい試練の連続は大変なものでした でもね あなたの顔を見たとたん すべては喜びに変えられ 感謝で胸がいっぱいになってしまった あなたのいのちを授かったと知ったとき パパやママはもちろんだけど あなたのおじいちゃんもおばあちゃんも おじさんもおばさんも パパが牧師をしている 教会のみぃーんなも 神さま 健やかにこの生命を育んでください あなたがいちばんいいと思う時に 誕生させてください みんながね 心を一つにして祈り続けたの だから パパはいいました この子の名前を結(ゆい)とつけます この子が神と人とを結びつけてくれたからです すばらしい名前 アーメン 本当にそうです みんなは笑顔で頷きあいました あなたはみんなの心を 神さまに向けてくれました あなたは生まれる前から 神さまに愛され パパとママに愛され たくさんのたくさんの人に愛され誕生しました 結ちゃん 生まれてくれてありがとう 愛の宅配便を届けてくれてありがとう 巣立ち (T君へ) あなたが高校に行けなくなって 学校をやめたと聞き胸つぶれる思いで 神さまに祈ることしかできなかった私 あなたの家族から この春嬉しい知らせが届いた 希望する大学に合格したよ 大学は自宅からはるかに遠く 飛行機に乗らないと行けない場所だけど 蝶がサナギからゆっくり羽化して 大空に羽ばたいていくように 勇気と強い意志を持って ひとりで巣立っていくあなた 素晴らしいえらいなあー拍手です パパもママもうんと心配だろうけれど あなたの決断を応援してるそうな 人生は長いようで短いよ 青春の日々を精一杯謳歌してほしい もたれかかっていい 土手道の傾斜にスイセンの花が咲き出した あちらこちらにわさわさと花茎が交わり 小さな群れとなって花が咲いている (だいじょうぶ?助けあって花を咲かそうね) うつむきながら互いにささやきあっているようだ 芳しい甘い香りがそよ風に乗って漂ってくる スイセンの花を眺めるたびに思い出す 恩師の作品スイセンの花の押し花 添えられたことば『もたれかかっていい』 心にジーンと響いてくるそのことば 何事も意地を張ることはよそう ちっぽけなプライドは捨てよう 『もたれかかっていい』 神さまにもたれかかっていいのだ 神さま助けてくださいと叫ぼう そうしたらきっと神さまが 私という花を支え咲かせて下さる ひだまりのなかで 年が開けひえびえとした日が続いたが きょうは風も無く暖かい日だ 青空には舟の形をした雲も ぽっかり浮かんでる 用水路に沿ったウオーキングコース ひだまりのなかのベンチに 高齢の婦人が座り子犬を抱き ウトウトしては微笑んでいる 近くに目を移せば満開のサザンカの花 赤く赤く生き生きと咲いている 寒い冬でもげんきに咲く花だ 今年はどんな出会いがあるだろう 後ろをふり向かないで前をみて いちにちいちにちを大切に 主とともに歩いていこう ひだまりのなかでほっこりしながら 感謝しながら軽やかに歩く 十字架を仰ぎ見て お赦しくださいますか主よ わたしはいま自分が 何をしていいのかわからないでいます どうしようもない切なさ 担いきれない使命と困惑 揺れ続けるもろもろの闘い わたしの多くの罪を贖ってくださった わたしの救い主イエスさま あなたの御声が聞こえます ワタシはあなたの主だ なぜワタシを信じ委ねることができないのです 信仰はどこにいったのですか あなたは神を思わないで 人のことを思っているのです なにも恐れることはありません 悲しみの涙を喜びの涙に変えて下さる主 十字架は泰然として今日も輝いています りんご村から (津軽地方を旅して) 青色の空白い雲がたなびき 凛と澄みきった空気のなか 津軽富士の優美な岩木山の麓 真っ赤なりんごの木々が林立している あら素敵あらかわいいなあ 思わず小さく叫んでしまった いっぽんの木に大きな大きな実が いくつもいくつもたわわについている 太陽に照らされツヤツヤひかる 真っ赤なその素肌に見とれてしまう 赤いりんごに唇よせて 黙ってみている青い空 りんごは何にもいわないけれど、、、 亡き母の愛唱歌ふと 心のなかで口ずさんでいた 一つ一つ手で丁寧に収穫していく農夫 感謝しながら手を振りつつお別れだ 小窓の向こうで 小窓の向こうからよたよたと歩いてきたキミ 窓を覗き込むわたしを認め半べそをかいた 支援員の手を引きドアを開けろというしぐさ ダメダメといわれて涙がとまらない 元気だったかな かあさん覚えてるよね? 大声で叫ぶように呼びかけるわたし うんうんと頷くキミは 涙をこぶしで拭っている かあさん あなたに会いたかったよ たくさんご飯たべて元気でいるんだよ 切なくて胸が痛くて こちらも涙が溢れでる 51歳になった我が子だけれど 心は幼子のまま あっという間に終わる面会時間 また会おうねと手を振ると 大きく大きく手を振ってサヨナラをした 小窓の向こうで消えてゆくキミの姿 元気で会えたのだから感謝しかない 自分を納得させながら帰り道を行く メル友 外に出ると息苦しさを覚える猛暑 熱中症警戒アラートにおびえつつ 冷房の効いた部屋に所在無げに 引きこもっている夫とわたし こう毎日では飽きてくる 相手の動作がいちいち気になって イラつくこともしょっちゅうなのだ 今朝夫が嬉しそうな声を出す 13才になった孫の双子ちゃんから 夫のスマホに初ラインメールが届いているという 「えっー」わたしには届いていないではないか 得意げにニヤニヤする夫 娘に抗議のラインをすると 孫たちはわたしにも送ったと言ってるという よくよく調べると確かに届いていた 大騒ぎした後で「メル友になれたね」と じいちゃんばあちゃんは幸せになりました 種を配る友 自分の菜園や花畑で収穫したあとの種を ボランテイア仲間にせっせと配る友がいる 個別にきちんと分けられた種は 野菜の種だったり花の種だったり その種の短い説明をする彼女の顔がいい 種が愛おしくてたまらない表情なのだ 時にはメモ書きも添えられて 種は見た目にはとても小さいけれど その中に種の遺伝子とビジョンが無限にあり 摩訶不思議が詰まっているのだ さっぱり判別できないわたし 体験から学んだことを教えてくれる彼女 聴いただけで立派な野菜や美しい花が イメージされて広がる仲間の笑顔 (もらいたいわあー)あちこちから延びる手 神のミコトバの種を配る友になりたいものだ 心で念じながら種を押し頂く アジサイの花 今年はアジサイの花にしたよ おかあさんが好きそうな色だったから この色のアジサイにしたの 母の日に娘がプレゼントしてくれた ガクアジサイの花今も元気だ 水色と白色と淡い緑のグラデーションが 見事にマッチングしている立派な鉢植え 水を切らさないようにし栄養剤注入も試みて 毎日楽しみつつ世話をしている 花が終わったら庭に植えよう うまく根付いたら来年も花が咲くだろう 私は母に花など贈ったことなどない 娘からもらえる幸せをしみじみと思う お隣さんの庭にもしとしと雨に濡れながら 微かに揺れる赤色のアジサイ 梅雨の季節に似合う花 創造主の神さまを賛美します あたりまえ キミに会えないのがあたりまえになってしまった |
| 佐藤喜美子 詩集(2012年) 私には、3人の子供がいます。 次男、長女は結婚もして子供もありますが、 長男は最重度の心身障害者で(出産時の後遺症)まったく、 言葉もいえず、知能指数も2歳もありません。 何度かこの子と共に死を考えましたが、 現在はこの子を与えられたことに感謝しています。 悩みの基であったこの子が、 今や我が家の祝福の基となっています。 この子をとうして、 神さまの存在と栄光を仰ぎ見ることができていると信じています。 |
![]() ![]() ![]() ![]() 春がきた 空には ひばり 木には うぐいす 地には 菜の花 温(ぬく)もりのある空間を 蝶が 二つ 三つ 優美に舞っている 野道をゆけば 色とりどりの草花たちの いぶきが 伸びやかだ あっち こっちで 春をよろこぶ 歌が聞こえる ああ、なんと この地球(せかい)の麗しいことよ ぽかぽか陽気に誘われ ぶらり 散歩を楽しむ公園 あなたの輝く笑顔をみれば どうにか 寒い冬を乗り越え よかったねと ほっと 胸をなでおろす わたしの心にも やっとこ やっとこ 春がきた 春がきた タンポポの花 驚いてしまったわ アナタがもう 咲いていたなんて 周りは 枯れ草ばかりの道端に へばりつくように どうどうと 力強く 綿毛も いつだって飛ばせる 準備をしているね 少女の頃 友だちがいなくて ひとりぼっちでいたとき 空き地で アナタをみつけて じんわりと 心が あったかくなったよ アナタの花色 アナタの姿 わたし だいすき いまでも変わらないよ その気もち アナタをみていると うれしくなる いくじなしのわたしが がんばれるような気がする 母の仕事 冷たい風受けながら 水仙 カンツバキが 健気(けなげ)に 咲いている ユリカモメが群れ飛ぶ 水辺の散歩みち 行き交うひとに 会釈しながら ときどき 立ち止まって 携帯を触るたび ダイヤモンドはないけれど
ふと気付いてみると おかあさん のりのりで アーアーと歌っている 因縁 因果 前世の罪
ことばを話せない 物事の判断をできない、長男との生活(現在は施設に入所)は、家族にとって、全てにおいて壮絶な闘いの日々でした。 いたずら天使 その時 突然 電話のベル 弟の教科書 破っても 父さんのカセット めちゃくちゃしても 君はわが家の いたずら天使 ねえかあさん 長男に重い障害があると判明した時、私には絶望だけがありました。 「苦労は、僕も共に背負っていくよ」と、言ってくれた夫のひとことが、私に生きる勇気を与えてくれました。神が、引き合わせてくださった生涯のパートナーを感謝しています。
この子には 僕の血と君の血が半分ずつ流れているんだ どこか僕の仕草に似ていて どこか君の表情に似ている
こんな可愛い子 世界中捜したっていないさ
苦労は仲良く分けて 背負っていこうな
長い夜 手を取り合って泣けるだけ泣いた
あれから何年経ったのだろう
めまぐるしく過ぎていく日々の中で
静かなひとときを憩う あなたとわたし
この子がいて良かった
心から そう思える日のために
どこまでも 支えあっていきましょう
あなた
武雄とともに 暮色に包まれた 誰もいない公園で あなたと生きた幾年月 生きるってことは傷つくこと みどり児の澄んだ瞳そのままで 生きることの尊さを オレンジ色の雲をみつめて |