最近の詩へ
       佐藤喜美子詩集
 佐藤さんは、作詩をしばらくお休みしていましたがご自分の現在の心境を言葉に託すことにしたようです。続けて愛読ください。(2017年5月1日)

枯れ葉

   光のなかをひらひらと
   枯れ葉が舞い散っている
   そっと そっと
   何枚か拾い集めた
      赤 黄 橙 緑 茶
      いちまい いちまい
      色の見事なグラデーション
      ひとつとして同じものはない
   きれいだね おばちゃん
   わたし これ
   ママへのおみやげにするの
      かわいい声に振り向くと
      小さな女の子が
      両手にいっぱいの枯れ葉
      大事そうに抱えている
   ふたりで微笑みあって
   頷きながら別れた


秋の公園で

   イナゴがぴょんと跳ねて
   バッタがぴょんぴょん飛んで
   大きなカマキリがにょっきり顔だした
      ほらほらほら見てごらん
      指さしながらきみを誘ってみたが
      きみの目はあらぬ方向をみて
      ただただ笑っているだけ
      けらけら声だし笑っているだけ
   まあ、いいとしよう
   何はともあれ
   きみはすこぶる元気
      ススキの穂がゆれて
      小鳥たちがさえずり
      澄んだ空には白い雲
   神さま感謝します
   親子で過ごす幸せなひとときを


鰯雲(いわしぐも)

   猛暑でこの身が
   溶けてしまいそうだった夏
   はっと気づくと
   涼しい風が頬を撫でている
      ヒガンバナ コスモスが
      あちこちに咲きだして
      手が届きそうな周りを
      赤とんぼが群れ飛んでいる
   この山里にも確かに
   秋が巡ってきたようだ
      夏が越えられなくて
      亡くなった友を思う
      涼しくなったら
      必ず会おうと誓っていた友よ
   せつなくて せつなくて
   見上げる空に 鰯雲


全員集合


   夫婦ふたりきりの我が家が
   全員集合で久しぶりに賑わった
      息子一家4人 娘一家5人 そして私たち
      5歳から76歳まで 総勢11人
      狭い部屋はぎゅうぎゅう詰めで
      てんやわんやの大騒ぎ
   朝から夜まで
   床が どんどこどんどこ ドタバタドタバタ
   おしゃべり ピーチクぱーちく
   ゲーム トランプ マジック ビンゴゲーム
      泣いたり 笑ったり 怒ったり
      ほらご飯 ほら水分補給 ほらおやつタイム
      目が回りそうな忙しい一日も
      夕食終えたら さよならのハイタッチ
   全員元気で会えて良かったなあ
   豆台風が去っていったような
   静けさと安堵感が戻ってきた


緑のカーテン

   ゴーヤを植えた
   長い2本の支柱を立て
   夫と協力してネットを張った
       朝夕 水やりをし
       親ヅルの摘心 ツルの誘導
       肥料も与えて
       こまめに 観察世話をするのが
       日課となった
   不思議な神秘の力で
   知らない間に成長している
       感動だなあ〜
   花がつき 実の形ができてくると
   早く大きくなってねと
   語りかけている
       子育てといっしょだなあ〜


そんな気持ちになった

   重度心身障害児施設を
   創設された方のことば
      ひっそりと輝く命がある
      尊い光を放つ子らがいる
      この子らに世の光を
      ではなく
      この子らを世の光に
      である
   忘れられないそのことば
      愛とは
      弱者を憐れむ心ではない
   自分も弱い者だと認め
   その弱さを素直に受け入れ
   互いに命を支えあっている者どうし
   同じ人間だと解ること
      愛とは
      神から頂いた命の尊さ輝きに
      気づくことではあるまいか
   気づきをみつめ理解しようとする力
   自分に何ができるのかと考える強い思い
      愛とは
      そうしたいと願う意思なのだ
   一日を終えようとしている夜
   座って瞑想をしていると
   そんな気持ちになった


主を待ち望む者は

   5月のほどよい風に吹かれて
   気ままに歩く
      桜が咲いては散り
      チューリップが咲いては散り
      藤が咲いては散ってしまった
   花のいのちのなんと短いことか
   人のいのちもまた儚いものだ
   わたしも老いを増してきている
   心はちぢに乱れる
      突然携帯のメール音
      お誕生日おめでとう
      主にあって
      またひとつ若くなりましたね
      友からのひとことが私の胸を熱くする
   そうだわたしは主の民
   主を待ち望む者は新しく力を得
   鷲のように翼をかって上ることができる


ベトナムを旅して

   久々の海外旅行 不安と期待を抱えて出発
   ハノイ フエ ダナン ホイアン ホーチミン
   南北に細長く湿度の高い国 汗をふきふき
   ツアー仲間に置いてきぼりにされぬよう
   必死に追いかけながらついて回る
       スタイル満点のアオザイ姿の女性に見とれたり
       道路を縦横無尽に走る
       バイク バイク バイクの群れに
       驚きの声を張り上げスリル感を味わう
       田畑で手にて種まきをする農夫に胸を熱くして
       日本の原風景に思いを馳せた
   今は決して豊かではない国 ベトナム
   けれども 人々は幸せを求めて
   ひたむきに逞しく生きている
   感慨深い旅となった
       帰宅して眺めた 満開の桜
       やっぱり にっぽんはいいなあ


うららかな春が待ち遠しい

   立春が過ぎてもたまには雪もちらついて
   寒いねえーが合言葉
   昨年暮れに植えたビオラが花びらを震わせている

      暖かくなったら旅に出よう
      桜の名所見物もいいな
      寒風の中歩を進めながら
      春への思いが募っていく

   ふと垣根に目をやれば
   小さな硬いツボミをつけた
   花の木を見つけた

      まあいじらしいこと
      思わず笑みがこぼれた
      うららかな春が待ち遠しい


雪のように真っ白にして


   新しく年が明けると
   見慣れた景色も吸う空気さえも
   全てが清々(すがすが)しく
   新鮮に思えてくるから不思議

      昨年は良いことも悪いことも
      たくさんあったけれど
      もう過ぎ去った年
      きれいにリセットしよう
      そっとつぶやいてみる

   チュンチュンチュン
   ピツーピツーピツー
   応援してるからねー
   小鳥たちがさえずりながら
   朝日の中を飛んでいく

      心を
      雪のように真っ白にして
      前だけを向いていこう


グッドニュース

   ふらりと立ち寄った店
   きらびやかなクリスマスツリーが飾られ
   赤いリボンで結ばれたプレゼントの数々の品
   賑やかなクリスマスソングが流れている
   本当のクリスマスはどこに行ったのか
   ああーとため息がもれて
   思わず立ち止まってしまうわたし
   粗末な馬小屋で誕生された
   神の御子イエス様 救い主
   にっぽんじゅうの何人が
   その意味を知っているだろうか
   嘆くまい 嘆くのはよそう
   今こそ 本当のクリスマスを伝えるその時だ
   堂々と伝えよう グッドニュース


ありのままに

   狂おしいほどの夏が過ぎて
   駆け足で秋がやって来た
   たわわに実った稲穂が
   秋風にもてあそばれてうねっている
   春夏秋冬
   季節の移り変わりの速いこと
      辛いこと嬉しいこと気になること
      泣いたり笑ったり怒ったり
      人の世の喜怒哀楽もまた
      めまぐるしく変化する
   風を追うようなものだ
   ソロモンのことばが
   静かにこころにしみてくる
      主がわたしに下さる分(ぶん)を
      恵みを感謝して
      生きようありのままに


小さな庭で

   朝目が覚めてすぐ 突っかけを履き庭に出る
   朝顔が6つ7つ咲いている
   ピンク ブルー ホワイト
   指さしながら 心楽しくなっていく
   半日でしぼんでしまう花だけど
   花びらを精いっぱい広げて
   一瞬のいのちを 輝かせている
        緑色赤ちゃんガエルが足元に乗り
        茶色トカゲも目の前を横切っていく
        もわぁーとした暖かな空気の中で
        新聞を小脇に抱え
        小さな庭でたたずむ
   さあー 今日いちにち何をしようかな
   深呼吸をして見上げる空
   主よ 今日のわたしのいのちを感謝します
   今日なすべきことを教えてください
   短い祈りとともに一日が始まった


かすみ草の花


   地上に色とりどりの花が咲くのは
   神さまからの贈り物
   どの花も個性ゆたかに
   せいいっぱい咲いている姿は
   大いなる慰めと励まし
   ときおり花屋を覗いては
   あの花この花向こうの花
   つぎつぎに選んで花束にする
   最後には決まってかすみ草の花
        いっぽんかにほん
        そっと添えてやると
        ぱぁーと夢空間が広がり
        明るく華やかなフンイキが漂う
   かすみ草の花は地味だけれど
   他の花を生かしながら大きな存在感を示す
   不思議な力を発揮する花
   私もそんな役割を持てたらと強く願った日


主のまなざし

   麦の穂が優しい風に揺れている
   田んぼにも水が入ってカエルの合唱が始まった
   母が株分けしてくれたムラサキツユクサの花
   可憐に今年も咲いた
   40年の時を超えてなお
      泣きながら迷いつつ
      望みを無くしてへたばり
      座り込んでしまう
      そんな日々もあったけれど
      いまここにある平安を思う
   わたしはどんなときにも
   ずっとあなたとともにいた
   声なき声が迫ってくる
   目には見えないけれど確かに
   わたしに注がれている
   温かな主のまなざし


かぞえてみよ 主のめぐみ

   はっきりした理由(わけ)もないのに
   つぶやきばかり多くなり
   日々の暮らしが所在ない
   その自分に愛想がつきて
   力なく石ころをけってみる
   もしかして 高齢期のウツかもしれぬ
   大きく深呼吸しながら 見上げる空
   どこまでも 広々としてはてしない
   地上に目をやれば
   色とりどりの草花たちが
   春の光の中で ひらめきあっている
   ああ わたしは生かされている
   わたしは まだまだ元気
   数えてみよ 主のめぐみ
   ひとつずつ ひとつずつ
   数えるごとに増す感謝

佐藤喜美子 詩集(2012年)
私には、3人の子供がいます。
次男、長女は結婚もして子供もありますが、
長男は最重度の心身障害者で(出産時の後遺症)まったく、
言葉もいえず、知能指数も2歳もありません。
何度かこの子と共に死を考えましたが、
現在はこの子を与えられたことに感謝しています。
悩みの基であったこの子が、
今や我が家の祝福の基となっています。
この子をとうして、
神さまの存在と栄光を仰ぎ見ることができていると信じています。




   

   
           

春がきた


   空には ひばり
   木には うぐいす
   地には 菜の花

        温(ぬく)もりのある空間を
        蝶が 二つ 三つ
        優美に舞っている

   野道をゆけば
   色とりどりの草花たちの
   いぶきが 伸びやかだ

        あっち こっちで
        春をよろこぶ 歌が聞こえる

   ああ、なんと
   この地球(せかい)の麗しいことよ

        ぽかぽか陽気に誘われ
        ぶらり
        散歩を楽しむ公園

   あなたの輝く笑顔をみれば
   どうにか
   寒い冬を乗り越え よかったねと
   ほっと 胸をなでおろす

        わたしの心にも
        やっとこ やっとこ
        春がきた 春がきた


タンポポの花


   驚いてしまったわ
   アナタがもう
   咲いていたなんて

       周りは
       枯れ草ばかりの道端に
       へばりつくように
       どうどうと 力強く

   綿毛も
   いつだって飛ばせる
   準備をしているね

       少女の頃
       友だちがいなくて
       ひとりぼっちでいたとき

   空き地で
   アナタをみつけて
   じんわりと 心が
   あったかくなったよ

       アナタの花色 アナタの姿
       わたし だいすき
       いまでも変わらないよ
       その気もち

   アナタをみていると うれしくなる
   いくじなしのわたしが
   がんばれるような気がする


母の仕事


   冷たい風受けながら
   水仙 カンツバキが
   健気(けなげ)に 咲いている

        ユリカモメが群れ飛ぶ
        水辺の散歩みち

   行き交うひとに 会釈しながら

   ときどき 立ち止まって

   携帯を触るたび

        待ち受け画面で
        ワハハ ワハハと
        あなたが笑っている
        大きな口を開けて

   いちにちに なんかい
   その笑顔を
   眺めることだろう

        あなたの健康のこと
        あなたを支えている方々のこと
        あなたと一緒に居る友だちのこと

   眺めては 祈り
   祈っては 眺める

        おもいのたけは
        神の御座(みざ)へと
        導かれていく

   母の仕事は
        祈ることだと
        心得ている


新しい年に向かって

   みずいろの空
   ぽっかり浮かぶ白い雲
   どっかりそびえる山々

       木々たちは葉っぱを落としても
       春への思いを秘めて
       息をひそめている

   凍(い)てつく寒さのなかを
   シラサギが飛んでいく
   大きな羽根をひろげて
   ゆうゆうと

       うしろをふりむかず
       まっすぐ歩いていこう

   時が良くても悪くても
   語り続けていこう

       主が
       わたしにしてくださった
       愛のみわざを

   もう新しいことが
   起こりはじめている

       勇気とともに
       だんだん
       心が燃えてくる


ダイヤモンドはないけれど

   久々に 我が家に帰った途端
   ぐるり 部屋を見まわして
   まんなかに チョコンと 鎮座したあなた

        それから しゃくとり虫のように
        部屋中を這いずり回り
        畳の感触を確かめては
        キャツ キャツと 笑い声をあげている

   赤ん坊が 乳を飲みほし
   満腹になったあと
   あどけなく笑う その顔に似て

        「何がそんなに うれしいのだろうねぇ」
        軽口をたたいては 瞳を覗きこみ
        なんかいも なんかいも
        あなたの頬を 撫でている

   あなたの喜ぶ笑顔
   唯一無二の宝もの

        わたしには ルビー サファイア
        ダイヤモンドはないけれど


家族って いいなぁ

   あなたの施設の秋まつり
   人込みをかきわけ
   ぬうっと 現れたのは
   あなたの弟
      「ぼくのこと おぼえているかな?」

   (おう ひさしぶりだな)
      そんな表情で ケラケラ笑って
      応(こた)える あなた

   「パパにそっくりだー」
   「眉 目 鼻 そっくりだー」
      弟の子どもたちが 飛んできて
      ふたりをみくらべては
      さかんにはやしたてる

   「ほんとに そっくりね」と
   嫁さんも頷き 笑い
   父さんも母さんも 大笑い

      笑いの渦は あなたの周りで
      大きくなったり 小さくなったり
      またまた 大きくなったり

   ニコニコ顔のあなたと
   それぞれに 握手する

      家族って いいなぁ
      やっぱり いいなぁ


恋花 いちりん 咲いたかな

   キミを 迎えにいったとき
   キミは 私を通りぬけ
   ひとりの女性(ひと)に近づいて
   じぶんの頬っぺたをつきだした

        その女性(ひと)は
        キミの頬っぺたに チューをした
        声あげ 喜ぶキミがいた

   「いってらっしゃい」
        まじめな顔で
        軽く 手を振る彼女

   いままで 見たこともない光景に
   あぜんとして とまどう私

   「おふたりは仲がいいのですよ」
       そういって 笑っている支援員さん

   しゃべれないキミに
   重いハンディキャップを抱える キミに
   43歳の 遅い青春

   ちいさな かわいい 恋の花
   散らずに 咲いていておくれ

        恋花 いちりん 咲いたかな
        ほんわか いちりん 咲いたかな


優しい時間


   あかあかと空を染めて
   日が沈みかけている
   ちらほら 街灯がつきはじめ
   行き交う 車のヘッドライトが光る
        酷暑で避けていた ウォーキング
        ひさびさに 再開してみる

   驚いた 草むらでは
   しきりにコオロギが鳴いている
   季節の移ろいのなんと早いことだろう
   もう 秋がはじまっていたなんて
        そう思ってみれば
        セミの声も あまり聞かれない
        ちょっぴり冷気を含んだ風も心地よい

   飛行機の爆音がひびき
   電車が近づく音がする
   昨日の嵐がうそのような
   いつもの夕暮れ

         きょうもいちにち守られ
              あなたのいちにちは どんなだったか
              風邪はひいていないか
              ひもじい思いをしてないか

   感謝と せつなさと あしたへの願い
   すべてを まぜあわせて
   おもいの糸は 祈りを紡いでいく

           この地上にも 私にも
           ゆっくり ゆっくり
           優しい時間が流れている


肝っ玉かあさん

   地上の生涯が全てであるなら
   わが子が 生きていく意味があるのだろうか
   なんども悩み こころ折れる日々

           地上の生涯が終わりではなく
           そのさきに
           神を信じる者が入る麗しい国
           永遠(とこしえ)の国があると知った
           そのときから
           ちいさいけれど 希望がうまれた

   世間体など気にしない
   この世の基準など考えまい
           ひとは 生かされているかぎり
           いかなるひとであっても
           尊い使命と役割があるのだからと
           そんなふうに
           わが子を思えるようになった
                希望って だいじだなあー
                希望があれば ひとは生きていける

   泣き虫 悲劇のヒロインを自認
   マイナス志向だった わたしが
   気づいたら
           「肝っ玉かあさん」 なんて
           よばれたりして ビックリ
           人生とは わからないものだ

   「肝っ玉かあさん」
   なんて力強いことばのひびき

           ねがわくば ほんものの
           「肝っ玉かあさん」になりたいものだ


ハッピーエンド


   5年ぶりに予約した 歯科受診
   障害者専門歯科は 車で片道
   1時間もかかってしまう場所

        遠くて 久々の受診
        きっと
        あなたは イヤに違いない
        はたして どうなってしまうのやら

   当日の天気予報 大雨に注意
   小雨ちらつく 空見上げ
   心は ちぢに乱れる

        (主よ お守りください 全てをお委ねします)
               祈りに祈って 出かけた

   なんとか 病院に着くと
        がらんとしている 待合室
        キャンセル続出で すぐ呼ばれた

   医者と看護師 総勢4人に
   優しく 取り囲まれて
   かわるがわるに かしずかれ
   ほめられつつ 励まされつつ
                受診と治療 めでたく 無事終了
                終始 にこにこのあなただった

   「とってもいい笑顔 写真を撮らせてね」 と 看護師さん
   あなたが こんなにモテたこと 珍しいね

        雨も たいして降ることはなく
        不安に 押しつぶされそうだった日は

                ハッピーエンド


ただクンのこと


   ただクンのおかあさんに スーパーであった
   ただクンが亡くなって5年 ひさびさに
   おかあさんと 手をとりあって泣いた

        ただクンとたっクン
        いつも いっしょにいたね

   散歩のときは 手をつなぎ
   みんなより う〜んと 遅れて
   のろのろ やっとこ 歩いていたふたり

        食事をするときも 差し向かい
        なんにもいわない いえない
        似た者どうしのふたり
        それでも 心は通じあっていた

   ただクンが逝(い)なくなって しばらく
   どうして ただクンが そばにいないのか
   のみこめない たっクンは動揺していた

        「大きな 赤ちゃんだった息子
        あの子は 天使のような子だったよ
        わたしね ひとりぼっちになってしまったの」

   そういって また泣いた
   ただクンのおかあさん

        スーパーを出て 私もまた泣けた

   やりきれない思いで 見上げる空に
   雲が ゆっくりと流れて
   そよ風が やさしく ほほをなでていく


桜並木はあなたへと続く道


   延々続く桜並木を 通り抜けると
   あなたが住む 施設(いえ)がある
   あなたに逢うため 通いなれた道

        桜が芽吹き 蕾が大きく膨らむと
        もうすぐ満開になると 心楽しくなり

        満開の桜のトンネルができると
        メルヘンの世界に 迷い込んだ少女のように
        きれいだきれいだと 声高にはしゃぎ

        葉桜になってしまうと
        あっけなく散ってしまったと 寂しさ募り

        葉っぱが 全部落ちた頃は
        厳しい冬がやってくると 気持ち引き締める

   何年も何年も 繰り返され 見て来た光景
   だけど いつしか わたしも
   高齢者とよばれるようになってしまった

        来年の桜 見ることは叶うだろうか
        ちゃんと あなたに逢いに行けるのか
        切ない思いは 浮き沈みする

        「あなたがたのうちだれが、心配したからといって、
        自分のいのちを少しでも延ばすことができますか」

   みことばを噛みしめながら
   桜並木を今日もゆく
   ただひたすら あなたの笑顔を見るために

        桜並木はあなたへと続く道


早春の風の中で


   近くで青黒く光るのは 多度山
   遠くでまだ雪を頂くは 御嶽山

        平原を渡っていく風が
        きょうは暖かい

   草や木が萌えだして
   若い緑がきれいだな

        神に創られた
        すべてのものが
        うたっている

   もうすぐ春ですよー
   春が来ましたよー

        喜びのうた声が
        風に舞っている

   同じ時を支えあう
   自然界のハーモニー

        なんだか新しい事が
        始まりそうで
        ワクワクしちゃう

   振り返って
   あなたを見れば
   目をつぶり
   風に吹かれて立っている

        笑みを含んだ 口もとをして


キミの笑顔


   キミは 人気者だそうな
   にっこり笑う仕草が
   かわいいのだという

        「なんともいえず 癒されるのです」
        キミを 世話する人が
        耳元でささやいた

   そういえば
   子どもの施設を出る時も
   「彼 どこに行っても愛されますよ
   笑顔がありますから」

           そういって
           たくさんの方々が
           握手してくれたね

   そのことがうれしくて
   照れた笑顔で みんなの周りを
   ぐるぐる 廻っていた キミ

           笑顔がいちばん
           笑顔があれば
           なんとかやっていける

   キミは 人の輪を生む力
   平和のカギを握っている

           神は
           最高の賜物を
           キミに下さった


バトンタッチ(母が遺したことば)


   この子は 人として不利な条件を
   たくさん 持っているかもしれないね
   でも
   ふしあわせな子だと
   決めつけてはいけないよ

        障害を持っていること
        イコール
        ふしあわせではないのです

   子育てで 肝心なのは
   夫婦が 仲良くすること
   互いに 協力しあうこと

        パパとママの輪の中で
        この子は この子なりの心で
        自分が 愛されていることを知るでしょう

   愛を知る子は しあわせなのです

        母が遺した 子育ての極意
        いまは わたしが 娘に伝えている

   三代繋がる 「ことばのバトン」
   あつき思いを込めて バトンタッチ




   降り続いた雨が
   やっとあがって
   山並みがくっきり
   まじかに見える

        思い悩む心を
        もてあましながら歩く
        田んぼみち
        ふと
        見上げた空に
        大きな虹が架かっていた

   壮大な宇宙(そら)のアート
   神さまのみわざのプレゼント

        思わず知らず
        七色のきらめきを
        人差し指でなぞってみる

   ちっぽけなことで
   クヨクヨするのは止めた
   人生でどうしても必要なものは
   わずかだから
   いや
   一つだから

        心の中で何かが
        プチンとはじけた
        よどんでいたものが
        どんどん清められていく

   ふつふつと喜びが湧いてくる
   かすかな希望が見えてきた


みちづれ


   いっぽも 歩けないと思った道
   のんびり 小さな歩幅だったけれど

          振りかえみれば
          ずいぶん 歩いてきたね

   ぼくだって 友だちつくれたよ
   ぼくだって いろんなことを学んだよ

          ちかごろ
          きみの 心の声が
          ずんずん 迫ってくる

   きみとの みちづれ
   そう 悪くはないよ
   むしろ
   なかなか いいものだ

          楽しみながら 歩いていこう
          ゆっくりと この道を

   きみと いっしょに 歩いた人生(みち)に
   たくさんの 愛の花を 咲かそうよ


自分の命を生きている

   ひとことも
   ウソをつかない
        ひとことも
        グチをこぼさない
   ひとことも
   ヒトを非難しない

        人が犯す舌の罪も
        果てしない欲望も
        強情な自己中心も

   あなたにはない
   これっぽっちもない

        与えられた環境の中で
        ただひたむきに
        自分の命を生きている

   あなたの姿 在り様が
   時にはむなしく 時には激しく
   私の心をえぐる

        真理(みち)をはずれ
        さまよう私を いつも
        神の前に引き戻す

   あなたに恥じないような
   母でありたい


寝顔


   夜の静寂(しじま)の中に
   安らかな寝息が
   リズミカルに漂い

       あなたの意識は
       誰も立ち入る事ができない
       神秘の世界に入ってしまった

   小部屋に射し込む
   月明かりに照らされて

       あなたが微かに笑っている
       幸せそうに笑っている

   一日の疲れ
   煩わしいできごと
   心の曇り

       今日の嫌な垢(あか)を
       さっぱり洗い流して

   あなたの寝顔は絶品だ

       あなたの寝顔を眺めていると
       明日への勇気と希望が充ちてくる

   きょういちにちをありがとう



イエスさまが ほほ笑んでいる


   かあさんが 悲しい顔をすると
   あなたも 悲しそうな顔

   かあさんが イライラすると
   あなたも イライラ落ち着かない

   かあさんが 笑顔になると
   あなたも とびきりの笑顔

           かあさんと武雄は あわせ鏡

   そして
   あなたの 傍(かたわ)らには イエスさま

   いつも 黙って
   イエスさまが ほほ笑んでいる


きみが居て


   きみが 待っていると思うと
   病気など しておれぬ
   風邪も すぐに 治してしまう

        きみが 待っていると思うと
        父さんと ケンカしていても
        平和条約成立で 仲直り

   きみが 待っていると思うと
   あなたの 好きな食べ物 飲み物
   たくさんたくさん 用意して

        きみが 待っていると思うと
        ドキドキ 胸が高鳴って
        最高の笑顔で 会いに行く

   きみが 居て
   わたしの 人生は 廻っている

        きみって きみって すごいね


もうすぐあなたの誕生日


        ミーン ミン ミン ミン
        ミンミンゼミが 大声で 生命を鼓舞する
     暑い 暑い 真夏日

     片田舎の 小さな病院で
     あなたは 生まれた

        3日間の 生みの苦しみは
        かあさんとあなたの
        いのちがけの 共同作業だったね

     ポツチャリした かわいい男の子
     あなたを 腕(かいな)に抱いた時
     たまらなく いとおしく思ったよ

        あれから42年 もうすぐ
        あなたの誕生日が 巡って来る

     いくたびか 死線を越えて
     なお 生かされて在る いのち

        髭面(ひげづら) ぼちぼち白髪(しらが)頭
        すっかり おじさんになってしまったけれど
        あなたの 無垢な瞳と心は 幼子のまま

     あなたの 母親でなかったら
     もう少し ましな人生が あったかもと
     何度 枕を 濡らしたことだろう

        今 あなたに 感謝を届けたい
        かあさんの子供に 生まれてくれて ありがとう
        ほんとに ほんとに ありがとう




   施設の門が見えてくると
   へらへら笑っていた あなたの顔が
   一瞬に曇る
   炎に溶かされていく ビニールのように
   いびつになっていく

         話せない あなたが
         涙が こぼれそうな顔で
         精一杯 心を表現している

   「帰りたくないね
   かあさんたちと一緒に住みたいね」
         いつものことばを 投げかけながら
         どうしようもない やるせなさが漂う

   駐車場に ブレーキ音が響く

          「また会いに来るからね
          また迎えに来るからね」
          悲しみを 振り切るように

   必死で呼びかける

          車のドアが 静かに開かれると
          あなたは 己の人生を 悟った顔をして
          おもむろに降り
          建物の中に 消えていく

   いつまでたっても 慣れることはない
   日々 あなたの顔を 思い出すたび
   突き刺さる 悲しみが疼(うず)く
   自分の無力さが 身に沁みる

          神にすべてを委ねて 祈ることを知った


今は恵みの時、今は救いの日です


   神なんていない うそだ
   しゃべれない あの子が
   どうして ひどい病気になったのか

        誰もいない 駅のホーム
        天を仰ぎ 号泣した

   今は恵みの時 、今は救いの日です

        どこからともなく 迫ってくることば
        波のように 押し寄せてくる
        不可思議なことば

   いったい 何のことだろう
   わけがわからぬ 自問自答の中で
   いつのまにか 心は凪(な)いでいた

        神さま お願いです あの子を 助けてください
        神さま お願いです あの子を 癒してください

   一心に 一心に 初めて
   祈る 行為をしていた

        つたない祈りを 神は聴き入れられた
        ほどなくして バプテスマを受けた わたし

   ずいぶん 経ってから 聖書の中に
   あの時の ことばをみつけた

   今は恵みの時、今は救いの日です

   一瞬にして解った みことばの真実 神の力
   神は 生きておられる
   いつでも 語っておられる


野の花のように


   ふと気付いてみると
   君は もう おとな
   とっくに背丈は
   とおさんとかあさんを 追い越している

        思えば 白いワイシャツに
        ネクタイを キリリと 締めて
        背広姿だって ステキかも しれないね

   それなのに
   母さんの 瞳に写るのは
   いつだって トレーナー姿

        青空のもと 風と戯れながら
        いちめんの 菜の花畑を
        おもいっきり 両手を広げ
        歓声上げて 走りまわる 君

   受験戦争も グルメも
   流行の ファッションも
   リッチな 世界旅行も
   全く 無縁の世界で

        生まれたばかりの
        赤ん坊のような いのちが
        そこで きらきら 輝いている

   人間の 欲望なんて
   あさましく むなしい

        神さまの 御手の中で 生かされて
        君のいのちが 輝いていること
        そのことがいちばん 嬉しいことだから

   野の花のように
   野の花のように
   あるがままに 生きていきたい


さんぽみち


   まっかに染まった あかね空
   そぞろ歩きの さんぽみち

           すず風が 優しく頬を 撫でていく
           あなたは 眼を細め 笑って歩く

   葉っぱ 引っ張って バリ バリ
   石ころ 投げて コロ コロ
   木切れ 拾って ユラ ユラ

           神が創られた 麗しい世界で
           無心に遊ぶ あなたの瞳の 安らかさ

   ふと われにかえって
   ほほえみかける あなたよ

           暮れなずむ 夕暮れは 心休まるね
           あしたも 晴れだ

   さあー走って お家に 帰りましょう
   かけっこ ヨ〜イ、ドン


仲間


   つらい育児で 身も心も すりへっていた頃
   同じような 障害のある子を持つ
   二人の仲間ができた

         驚きと興奮が 私を包んだ

   私たちは トリオで 徒党を組み
   それぞれの子を連れて
   レストラン スーパー 公園
   どこへでも出かけた

         悩み 苦労 不安 恐れ
         涙を流して 互いに分かちあった

   でも 最後には
   全てが 笑い話に変化していた
   涙をぬぐって 腹をかかえ 笑いあった

         帰りには きまって
         生きる力と 勇気が満ちていた

   三人で共有した 時間の重さ すばらしさ
   仲間がいたから 生きてこられた

         試練とともに 脱出の道も備えてくださった
         神の愛の 確かさを思う


モットー


   わが子の障害を 受け止めきれずに
   相談所の トビラを叩いたとき
   臨床心理士が 笑顔で言った

 おかあさん
      元気 根気 のん気 に
      希望のエッセンスを
      一滴 二滴 振りかけて
      それをモットーとして
      生きていきましょう

   ムリ ムリ ムリ
   心配性で小心者 根気などまるでない
   希望持てないから ここにきたの
   心の中で否定して 強くつぶやいた

   それでも それから
   わたしのクチグセは
      元気 根気 のん気
      希望のエッセンス
      と なった

   言い続けていると
   それらのことばは ほんとうに
   わたしの 子育てのモットーとなった


いちねんじゅう クリスマス


   あなたが好きなこと
   クリスマスソングを 聴くこと
   春夏秋冬 いちねんじゅう 聴いている

        赤鼻のトナカイ は

        のりのりで アーアーと歌っている
        ジングルベル は
         体をゆらして 楽しげだ
        きよしこの夜 は
         感きわまって 涙こぼれそう
        ハレルヤコーラス は
         神妙な顔つきで 固まっている

   あなたは 何時でも どこでも
   クリスマスソングを 聴くのが とっても大好き
   父さんが作った オリジナルテープは
   今にも 擦り切れてしまいそう 

        考えてみると
        クリスチャンは いちねんじゅう
        クリスマスを 賛美しないとね
        救い主の誕生を 日々喜び
        感謝を 続けないといけないね

   わたしも あなたと 
   いっしょに 歌おう
   罪にまみれた わたしの人生を 
   新生させてくださった 神の御子に 
   思いをよせて 声高らかに


神のわざが現れるためです


因縁 因果 前世の罪
   かわいそうな親子だね

            人々が眉ひそめ ウワサしているようで
            いつもオドオド 下を向き生きていた

   この子さえいなければ
   どす黒い地底から 湧きあがる 悪魔のささやき
   息をすることさえ 辛く苦しかった

            そんな時
            イエスさまに出会った

   この人が罪を犯したのでもなく
   両親でもありません
   神のわざがこの人に現れるためです

            みことばにふれた途端
            ひとすじの光が 鋭い矢となって
            私の全身をつらぬいた
            とめどもなく流れおちる涙 涙 涙
            呪縛のクサリからの 解放

   自由な心から 希望が生まれ
   感謝が生まれ 平安が生まれた

            生きることが 楽しくなった
            我が子が 愛おしくなった
            神のわざが この身に現れたのです



 ぼくのおにいちゃんの詩は、次男の作(当時8才)です。この詩は、プロの音楽家がメロデイーをつけ、コンサートで発表してくださいました。

ぼくのおにいちゃん

   しゃべれないおにいちゃん
   いつもひとりぼっちであそんでいる
   そんなおにいちゃんさびしそう
   友だちできたらいいのになあ

        はやくしゃべれるようになってね
        ぼくはいつでもそう思っている

   おにいちゃんは心の中で
   どんなことを思うのだろう
   何がしゃべりたいのだろう
   それがわかったらいいのになあ
   おにいちゃんの心の中を
   そっとのぞいて見たい

         おにいちゃんができないこと
         ぼくにできることがあったら
         なんでもやってあげたい

   体のデッカイおにいちゃん
   いたずらばっかりおにいちゃん
   世界じゅうでたったひとりの
   ぼくのおにいちゃん
   やっぱりぼくはだいすきだ


武雄へ


   ことばを話せない
         もどかしさを目に秘め
   何度も何度も頭を下げ
         手を合わせこいねがう武雄よ

   わかっているよ
         君の心の中でことばが
   おしくらまんじゅうをしてるから
         ひとことおしゃべりほしいから
   かあさんは知らないふりをしているだけ

   タケオタケオ良い名前
         おじいちゃんがつけてくれた名前
   君は自然児のように
         無欲に今日も生きている

   かあさん死んでしまったら
         君の心の叫びを
   誰が聞いてくれるだろう

   そんなことを
         考える日もあるけれど
   今日いちにちの幸せを感謝して
         明日への恵みを祈ろうね


いたずら天使

物事の判断をできない、長男との生活(現在は施設に入所)は、家族にとって、全てにおいて壮絶な闘いの日々でした。

いたずら天使

夕餉の仕度 している傍で
ウロウロ いたずら物色ちゅうの君

その時 突然 電話のベル
受話器を置いて もどってみると

君がつくった
不思議な料理 できている

    手を振り上げて みたものの
    笑顔を見ると 叱れない

弟の教科書 破っても
妹の人形 壊しても

父さんのカセット めちゃくちゃしても
つぶらな瞳が すましている

    大声で 怒鳴ってみたが
    やはり君を 憎めない

いたずらは
君の生きる力 と 証しだね

君を愛すということは
君のありのままを受け入れること

君はわが家の いたずら天使


ねえかあさん
 次男(現在30代)が小学校に上がる頃、私に語りかけて言ったことばを集めて、詩にしました。
「たっくん」という呼び名は、我が家での長男、武雄君の愛称。

ねえかあさん

たっくん どうしてお話できないの
どうしてもなおらない頭の病気なの
えらいお医者さまでもだめかな

   ねえかあさん
     たっくんのユメみたよ
     にこにこ笑ってしゃべっていたよ
     ぼくうれしくて
     わんわん泣いたら ユメさめた

ねえかあさん
神さまが人間をつくったの
神さまだったら
たっくんの頭 なおしてくれるかな

ねえかあさん
ぼくお祈りするよ
神さまにお祈りするよ

たっくんに ことばをあげてくださいって


あなたへのメッセージ


 長男に重い障害があると判明した時、私には絶望だけがありました。
「苦労は、僕も共に背負っていくよ」と、言ってくれた夫のひとことが、私に生きる勇気を与えてくれました。神が、引き合わせてくださった生涯のパートナーを感謝しています。

   この子には 僕の血と君の血が半分ずつ流れているんだ
   どこか僕の仕草に似ていて どこか君の表情に似ている
   こんな可愛い子 世界中捜したっていないさ
   苦労は仲良く分けて 背負っていこうな
   長い夜 手を取り合って泣けるだけ泣いた
   あれから何年経ったのだろう
   めまぐるしく過ぎていく日々の中で
   静かなひとときを憩う あなたとわたし
   この子がいて良かった
   心から そう思える日のために
   どこまでも 支えあっていきましょう
   あなた


武雄とともに

   暮色に包まれた 誰もいない公園で
   ブランコに乗る武雄
   大きな身体をゆすりながら
   無邪気な笑顔が舞いあがる

   あなたと生きた幾年月
   いろんな日々があったけど
   生きていてよかったね

   生きるってことは傷つくこと
   生きるってことは勇気を持つこと
   生きるってことは感動すること
   生きるってことは誰かを愛すること

   みどり児の澄んだ瞳そのままで
   母さんに教えてくれた
   あなたを力いっぱい愛したい
   母さんの命を燃やして愛したい

   生きることの尊さを
   生きることの確かさを
   かみしめながら少しずつ
   あなたとともに歩いていこうね

   オレンジ色の雲をみつめて
   微笑みかわすふたりです